「名前は?」


エンジン音と
風を切る音に
かき消されないように
コウキが叫んだ。



「アタシ野良だったから
 名前なんてないよ。

 コウキが決めて。」


「なんだそれ。

 俺ネーミングセンス
 ほぼゼロだけど。」



いたずらっぽく笑うと
コウキも同じように
笑った。