青い桜が咲く頃に


そう呟いたゲンさんは
どこか寂しそうで

胸がぎゅっと
苦しくなった。



「お前と出会って
 久しぶりに幸せを感じた。
 人の温かさを
 思い出させてくれた。

 優しい場所へ
 還らせてくれた……

 俺にとってお前は
 優しい波だ。」



照れ臭そうに小さな声で
「ありがとう」と呟いて
ゲンさんは眠った。