何時間もかけて
ゆっくりと
コウキは話した。


そこまで話し終わると
コウキはダイセイの
冷たくなった顔に触れた。


「その頃かな。

 俺たちが
 抱き合うようになったの。」


懐かしむように
遠くを見つめて言った。



その目に
もう涙は流れていなかった。