青い桜が咲く頃に


「タマ……
 俺……」


目の前の闇に
消えてしまいそうな
小さな声で
コウキが言った。


「ダイセイを……
 この…手で……」



コウキは
泣き崩れるように
ダイセイのそばに
うずくまった。



ずっとずっと
一生分の涙を
流したんじゃないかと
本気で思えるくらい

コウキは泣いていた。