どれくらい時間がたったのか。

優しくて深いキスを繰り返していたのをようやく止めて、ゆっくりと唇が離れる。


「「……」」

お互いに真っ赤な顔で見つめあったりして、言葉がでない。

なんか、くすぐったいような変な気持ちに襲われた。


だけどそんな気持ち悟られたくなくて。

「先輩、顔真っ赤ですけど」

なんてちょっとだけ憎まれ口っぽく言ってみる。


「…うるさい」

灰音ちゃんもでしょ、とブツブツいいながら、顔をそらされた。

その様子が小さな子供みたいで、クスクス笑っていると、不貞腐れたように口を尖らせる。


「絶対、Sだ」

「そんなことありません」

頭はものすごくよくて、運動神経抜群で。

まさに文武両道な人なのに。


精神年齢は5歳児かってくらい子供。