「いや、返事はもう分かってるから。だから…」



わかってるって…


『全然わかってねぇじゃねぇーかよ……』


俺はそう言って雨音の頭を押さえて口をふさいだ。


泣きそうな声だったんだ。

雨音が。








1分くらいしただろうか。



「なんで?なんでこんなことするの!?」



当たり前だろ。









『俺だってお前が好きなんだよ!!』









ずっと想ってきたんだ。

雨音が俺を好きなんてことは一度も考えたことはなかった。