日も沈み朧げな月が闇夜を照らす。

小さな灯りしかない薄暗い部屋。

ガチャリと錠の外れる音が響き、ゆっくりと部屋の重たい扉が開かれる。

そこにはいつもと変わらず、少し病んだ瞳をした男が静かに私を見つめていた。

黒い髪と瞳の男は赤い着物に身を包み、その腰には鞘に納められたままの刀が差されている。

「……お帰りなさい」

そう言って入口に立った男に微笑み掛けると、男は無言のまま部屋に入り中から鍵を掛けた。

カチャンと錠の掛かる音が響き、それはこの部屋に私と男二人だけの歪んだ愛の始まりを告げる。

男は真っ直ぐに私に歩み寄ると、私の顎を引き寄せ唇を重ねた。