‡幼なじみ‡




姫野が、逃げるように教室から出ていった。


姫野の後を、追いかけようとした…。


けど、俺より先に一色が慌てて姫野の後を追った。

一瞬、俺を睨みつけ教室を出て行った。


これで、良かったのかもしれない。
俺が行って、姫野に何を言えるんだ?
何も、言えねぇ。


そんな様子を、静かに見ていた光貴。


「姫野ちゃんの事は、由希に任せてれば大丈夫だよ。それより、莉紅と転校生の方がヤバそうだけど?何かあるの?あの子と。」


珍しく、光貴が詮索してきた。
光貴は、人の詮索は絶対しない。
相手が話してくれるまで待つ奴だ。


だけど今回は、いつもと様子が違うのが分かったんだろう。


心配してくれてるのは分かるが、いくら光貴でも過去の馬鹿な話を聞かせられない。
こいつの事だから、笑って『莉紅は、馬鹿だったんだ。』と嫌味を言うだろう。

そんな事、分かってる。


改めて、人から言われたくねぇ!!