光貴の言う通り、俺から『好き』だと言えば、きっと姫野も好きだと言ってくれるだろ。


姫野の気持ちは、昔から分かってる。


でも、それじゃ駄目なんだ。
俺からじゃなく、姫野から『好き』と言ってほしい。
俺の想いと同じくらい、イヤそれ以上に俺の事を想ってほしいんだ。


姫野の初めてを全部、俺のものにしたい。


小さい頃から、ずっと一緒に過ごしてきた。
だから、何をするのも姫野と一緒に、初めてを体験してきた。

手を繋ぐのも、ブランコに乗るのも、イタズラをして叱られるのも、キスだってした。
幼稚園のお遊戯会で、白雪姫をやった時、姫野は白雪姫、俺は王子様役をやった。
本当は、ほっぺにキスをする予定だったのを無視して、俺は姫野の唇にキスをしたんだ。


先生達は、大慌て。
観に来てた、父兄達も驚いてた。
そんな中、笑顔で観ていた俺と姫野の両親達。


キスされた当の本人、姫野は訳が分かってないみたいで、ただニコニコ笑っていたのを覚えてる。

天然は、この頃から始まったのか?(笑)