「光貴、バスケ部に入ってほしいって、かなり誘ったらしいけどバスケより大事なものがあるから…とか言われて諦めたんだって、すっごい残念がってたよ。葉山と一緒にバスケしたかったって。―――葉山?バスケより大事なものって何だったの?今でも大事ものなの?」


「……。あぁ。」


「ふぅ〜ん。そんなに大事なものなんだ。」
ニヤリ…。


知らなかった。莉紅は何でバスケ続けなかったのか不思議だったんだ。
莉紅は、全国でもトップクラスの選手だったんだよ。Uー18で選抜されて海外遠征にも行ったり。
高校も、県外のバスケ名門校からスカウトされてたし。
スカウトの誘いを断って、家から近いから〜とか言ってこの高校入ったんだよね。
未練ないの?って聞いたら。
『別に。無い。』って、あっさりしてた。
バスケやってる人なら、誰もが羨むようなバスケセンスを持ってるのに、もったいない。
才能を埋もれさせちゃってるよ。


本人いわく、『俺よりバスケ上手い奴はいくらでもいる。』らしい。


ご謙遜を。