何で?

どうして?

莉紅…。

やだよ。

走って、走って、走って…体育館を飛び出し、校舎の廊下を走って教室に飛び込んだ。


ポロポロ…。
涙が止まらない。


莉紅…『姫野!!』って呼んでた。


でも、追い掛けて来ない。
無理か。
脳震盪おこしたばかりだもんね。
それに、桐原さんと……………。


イヤだ!イヤだよぉ!!!莉紅…。


他の女の子に触れないで!!触れさせないで!!


涙が止まらず、泣き続けていた。


「どうしよう。部活中なのに飛び出して来ちゃったんだ。由希に怒られちゃう。戻らなきゃ。」


顔を洗って、体育館に向かった。


「姫野!!何処に行ってたの!桐原さんもいないし。急に姫野も、居なくなるから心配したのよ…!?姫野?何かあったのね?目が真っ赤。姫野…話して。」


「由希…」


部室から、桐原さんが出てきた。


ビクッ…。


嫌。
見たくない。


「そろそろ、練習終わりよね?私、今日でマネージャー最後だし、皆に挨拶したいの。桜さん、一色さん、1週間お世話になりました。それじゃ、先生と部員の皆にも挨拶したいから、失礼するわ。」