[君の秘密]

一瞬、君と男の姿が消えて
俺の視界からいなくなった






君と男の姿は



倉庫の冷たい
コンクリートの壁にあった



男はその大きな掌で
君の顔を自分に向けるように
君の顎周りと
君の後頭部を
しっかりと両手で押さえ込んでいた



君ははっとした表情をしていて
これからおこる出来事を
悟ったようだった




















[…結局、あんたもその辺の女と同じって事か?高値の華だなんだって言われてるけど、遊んでんのか…男なんてごまんといるのか…そうだよな、あんた男なんて選り取り見取りだもんな…だったら、俺の相手もしろよ]





男はそう言って
押さえ込まれた君の顔に
自分の顔を近づけていく




[…ッや、]



君の口から力ない声が漏れた




君の顔に
男の顔が触れるか触れないかの
距離になったとき

君は懇親の力を振り絞ったのか
男の顔から自分の顔をそむけた

男は君の唇に触れることを諦めたのか
君の首筋に唇を向けていった



[…ッふ]






男の顔が君の首筋に隠れ
確認することは出来ないが

君から漏れた声が
君の首筋に男の唇が触れたことを
告げられた



男の唇は君の首筋に触れたまま
男の手だけが
君のスカートの裾を
まくし上げるように滑り込んでいった



男の手が君の太ももに手を伸ばして
君は少し反応した



[…ッやめて]

君は相変わらず顔をそむけながら
目の前の男を拒絶する

その君の顔は
瞳から涙を頬に流し
本来なら躊躇させるはずが

君の顔は妖艶で
その涙さえも
理性をくすぐる要素になっていて
逆に行動を悪化させる事になっていた