「由宮くーん、おはよう」


ゾロゾロと俺の傍には、女子達が集まって来た。



ーお願いだから静かにしてくれー


そんなことも知らずに、女子達はベラベラと喋り出す。


俺は、イライラしていた。

「由宮くん、顔色悪いよー?大丈夫…」


肩に手を置かれて、思わず手を振り払ってしまった。


いつもならニコニコと微笑みかけるのだが、今はそんな余裕すら無い。


「あ…」

「ご、ごめん…ちょっと体調悪いんだ。」


俺は席を外して、教室から出て行った。




「由宮くん、大丈夫かな?」
女子達の心配してくれている声が微かに、廊下から聞こえていた…。