目の前に立っている男は……昨日、幸也さんに紹介された腹違いの兄弟の1人だった。





鼻でフッと笑うと、男は答えた。
「…俺は、秋元聖嵐だ。」


「俺は、藤堂貴司」
こんな状態で、自己紹介をした俺達。



「まさか、同じ学校だったとはな」
聖嵐は、ふぅと溜め息を吐くと俺を見つめて睨みつけた。


「俺だってビックリだよ」
睨み返して、肩に置かれた手を振りほどいた。


「まぁ、別に関係の無いことだしな」
ぷいっ…と遠くを見つめた後、俺は玄関へと向かって歩き出す。


……秋元聖嵐……
お前なんか、兄弟でもない。