………次の日。
俺は、学校に行く準備をしていた。


《ガタン…》
玄関から音がした。


「由宇、これから学校?」
朝帰りして来た、化粧のケバぃ女性…これが、俺の母親。

小さい頃から、構ってもらったことも無いし、この人から愛情を貰った覚えもない。

ただ、同じ屋根の下で暮らしているだけ。

俺に愛情なんて注ぐより、他の男に愛情注ぐ方が多いもんな。


「あぁ、これから学校だよ。」
俺はこの人の前では、いい子を演じる。
昔から、そうしてきたから。


「いってらっしゃい♪」
煙草に火を付けながら、俺に手を振った。

「うん、いってきます。母さん」
俺も、ニッコリ微笑み返して手を振り返して、玄関のドアを開けた。


《ガチャ…パタン》



母さん…か。
クッ…気持ち悪過ぎて反吐が出るよ。


あんな人なんて、1度も母親だなんて認めてないし、認めたくもない。



俺は学校に向かう道を歩きながら、曇り空を見つめていた…。