居間に向かうと、お母さんとお父さんは居なかった。

どうせ仕事だろうな……。


「あ……里菜さんと幸也さんから、ひなに伝言」

おもむろに、ポケットから手紙を取り出すと、聖嵐は私に渡して来た。


「なにこれ?」


「見たらわかる……」
それだけ言うと、冷蔵庫から麦茶を取り出す。


私は手紙を開いて、目を通し始める。



【幸也さんが連休取れたから、旅行に出掛けてきます。4人で仲良くするのよ〜お母さんより】



「お母さん……」

何なんだ…自分の母親とはいえ、呆れてものも言えない。