「いった……」


この頃、夏美は毎朝頭痛に悩まされていた。


(別に肩こってるわけでもないし……)


頭痛のことは誰にも言ってない。


しかもこの時代の薬を使うと体がどう反応するかわからない。


少しいたむ頭を抑え、顔を洗いに行く。


ガラッ


障子を開けるとばったり大貴と会った。


あの時以来話していないのだから、相当気まずい。


「……お前、聞いたか……」


大貴を置いて足を進めようとした夏美は足を止める。


「……何を……?」


「2人組の話」


「………ああ、うん、聞いた」


一瞬夏美は土方を思い出してしまった。


「………もしかしたら、俺たちこれ以上この時代にいれないかもしれない……」


「うそっ………」