「はいっ、終わりましたよ」


「スマンな。ったく、局長……ちょっと斬られただけっつうのにあんなに大騒ぎしやがって……」



「それほど心配なんですよ、土方さんのことが」


土方は見廻りのときに盗人を見つけ、追いかけたら斬られたそうだ。


傷は浅く、盗人は他の隊員によって奉行所行きになった。


「無理しないでくださいね」


「……そうだな。ありがとう」


その時夏美は土方の笑顔を初めて見た。


「……何驚いた顔してんだ」


「いや、初めて土方さんの笑ったところ見たので………」


「そんなにめずらしいか?」


「はい」


「そう言われてもなぁ……」


しかし、気づいたら土方の顔は真っ赤だった。


「土方さん、照れてますね」


「ばっ、バカ言うな!!」