お手伝いさん(もちろん女性!)に手伝ってもらい、なんとか着物を着る事が出来た。


(く、苦しい……)


しかし、帯で締められているせいか背筋が伸びる。


(……たしかにここの人って皆姿勢がいいな……)


ふと、鏡に映った自分の姿を見る。


夏美は自分でも驚いてしまった。


「えっ……」


そこにはいつも制服姿とは違う夏美が映っていた。


(いつもと全然違う……)


着物はたしかに地味だったが、夏美にはしっくり来た。


その時、夏美の耳に叫び声が聞こえた。