梅雨のある日の事だった。


「ふぁ〜」


大きなあくびをする。


橋本夏美、中学3年生。


これでも立派な受験生。


部活は吹奏楽、コンクールに向けて最後の大詰め中だ。


(今日は塾かぁ……)


夏美は特にこれと言った特徴はない、どこにでもいる中学生だ。


授業が終わり、夏美はホッと一息ついた。