「だめ、これ以上は近寄れない。あそこは王の力が強すぎるから、王が精霊使いを拒否しているから……」
ふいにアディリがサーナの腕の中から逃れようと身動きする。
「サーナ、私を放して。私、行くから。あの子の後を追うから」
追うと言うアディリの言葉をサーナは瞬時に察した。この子は普通の手段で行くつもりではない。
セラスヴァティ姫と同じく精霊の力を借りるつもりだ。
「何を言っているの。危険だと言ったじゃない」
「私を甘く見ないで。あの子に行けたのなら、私にだって行ける。私はあの子の先生なのよ」
「アディリ」
「城の中まではいけないけれど、側までなら何とか行けるはず」
「どうして、あなたがそこまで」
「言ったじゃない、私はあの子の先生だって。未熟な生徒を野放しにはできない。私には責任がある。クレイドル様にだって頼まれたのだし」
サーナを見上げる淡い水色の瞳には一編の迷いもない。ためらいもない。ただゆるぎない自信があった。
だとしたら、サーナが選ぶ道も一つだった。
ふいにアディリがサーナの腕の中から逃れようと身動きする。
「サーナ、私を放して。私、行くから。あの子の後を追うから」
追うと言うアディリの言葉をサーナは瞬時に察した。この子は普通の手段で行くつもりではない。
セラスヴァティ姫と同じく精霊の力を借りるつもりだ。
「何を言っているの。危険だと言ったじゃない」
「私を甘く見ないで。あの子に行けたのなら、私にだって行ける。私はあの子の先生なのよ」
「アディリ」
「城の中まではいけないけれど、側までなら何とか行けるはず」
「どうして、あなたがそこまで」
「言ったじゃない、私はあの子の先生だって。未熟な生徒を野放しにはできない。私には責任がある。クレイドル様にだって頼まれたのだし」
サーナを見上げる淡い水色の瞳には一編の迷いもない。ためらいもない。ただゆるぎない自信があった。
だとしたら、サーナが選ぶ道も一つだった。

