白々しく笑う愛美と里緒菜に、結衣はお茶目な笑顔で叫んだ。
「ストーカーとかキモイ! 大嫌いなんですけど!」
なにこれ笑える、
なんか……良かった
あほっぽ、
なに、この幸せ気持ち悪
初めての片思い、二人が親友をしてくれたから頑張れた。
二人のお陰で、今こうして目の前に大好きな人が居る。
冷たい風だって、もうすぐ温かくなる。
春に恋の花が咲くなんてロマンチックではないか。
現実の世界で美しく育てて行けば、頭の中のお花畑に逃げる必要なんてなくなる。
好きな人が出来て、頑張って、凹んで、笑って、全部を応援してくれたのは愛美と里緒菜で、
これは正に女子高生の友情だ。
好き、
……なんか、ウケる
左手で里緒菜、右手で愛美の腕を組むと、
結衣は近藤に大切な気持ちを伝えるために、トップコートを塗ったように輝く唇を動かした。
「近藤くんってぽこりんで! 名付け親?、ばりばり引いていいよ、あは。
ずっと……はは、引くかな、作戦して、しょうもない……ほんと、…お子様な、
鞄バラまいたり玩具とか、待ち伏せ、計画、あはは。
馬鹿に頑張った、頑張ったよ、計算……あはは、好きなんだもん」
偶然な出会いを作って、奇遇な接点を作って努力した効果で今があって、
最高に痛いなと思う。
馬鹿だなと思う。
それが恋だと思う。
「私と、付き合って、もメリット、ないよ、やめとけば……、ふ、 多分、困らせる」
弱々しく結衣は言った。
愛美と里緒菜、二人が居なかったらホワイトデーはどうなったのか。
ここでこうして話すなんて、ありえない。
世界の違う彼に声をかけることが可能だったのは、友人が奮闘してくれただけだ。
計算ばかりしていた結衣は、詐欺をしているような嘘をついているような、
騙しているような、後ろめたい気がしてならない。
よって、彼女を辞退することにした。
ウサギのお財布、携帯電話のストラップ、バレンタイン神社にお願いをしたあの日々は忘れない。
好きだけど、
でも……私
つりあわないんじゃないかと、土壇場で悲劇のヒロインを発揮してしまっていた。



