何、なんで知ってんの?
ぽこりんて、
告白て、なんでー?
チークを飛ばしたホッペのように、おでこまで真っ赤に染まり、
そんな反応を見せればもうどうしようもない。
電話の声が大きいのだと言う姉に、なるほどと納得した。
確かに昨夜は歓喜と不安に便乗し騒ぎ立てたので、会話の全てが筒抜けだったのだろう。
最悪、ばれてる
初恋だから余計に身内バレはしたくなかったが、姉は結衣の恋愛事情をお察しらしい。
「ほんっと、あんたねー」と、姉が再び開口したため、
煩くて眠れなくて美容に悪いとかでグダグダ怒られるのだと思った。
しかし結衣の目の前に差し出されたのは、
お正月の福袋くらいの大きさの紙袋二つと、接客業で身につけた姉のとびきり営業スマイルで、
さすが次はバイヤーにキャリアアップするショップ店員だと、身内ながら妹は一瞬見惚れてしまった。
「ほらー結衣、その変な服脱いで。これ着なよ」
「……へ?」
思いの外、子守唄を奏でるような優しい口調に拍子抜けしてしまう。
フリーマーケットをするていでソファーに並べられたのは、たくさんの愛情だった。
「お姉さんからの前祝い。ジャケット五万、ワンピ四万、タイツ三千、パンプス二万、バック二万。
スタッフ割引なのは内緒でー。で、結衣ちゃん。店ん中で安いの選んだのは許してねー?、さすがにあんたに投資出来ない」
姉は服を宙に広げて、「可愛いでしょ」と一言。
状況が掴めず、マヌケ面をしたままの結衣が返事をするより先に、また続けた。
「その格好、ちょっと気軽、カジュアル過ぎ。それは六回目のデート風。脱いで。
今日に賭けたいんでしょ? 痛いくらいモロなのが可愛い。
大丈夫、私の妹なんだからまあまあ可愛いって、不細工結衣、早く着替えて」
お姫様のドレスを用意してくれていた?
淡く微笑む姉は魔法使い。
小二の時にお気に入りのマグカップを壊してしまって凹んでいたら、
次の日に同じ物がテーブルにあったあの時と同じ笑い方だ。
昔も今も、姉の千依は結衣の気持ちを良くも悪くもお見通し。
「おねえちゃん!!」



