それは、彼氏と別れた子に『男なんてたくさん居るんだから大丈夫』とか、
『可愛いからすぐ彼氏できるよ大丈夫だよ』とか励ます感じにそっくりだ。
その場限りの言葉であてずっぽで、正に女子そのものだ。
Yのストラップがキラキラ光れど、RとMが揃って輝きを増す訳で、
一つだと頼りない。
ちっとも大丈夫じゃないし
大丈夫じゃないもん全然
結衣が愛美や里緒菜を友人として好きだった理由は、
上記のような発言をしない毒々しい性格だからで、
中学生が憧れる女子高生の友情感ではなく、笑い飛ばしてくれる殺伐感が好きだったのに、
今日みたいな簡単な大丈夫で終わらされると虚しくなる。
だって、彼氏に浮気された子に『浮気仕返しちゃえ』とか『世界の半分は男だよ』とか、
女子会に集うオシャレ娘が話すような言葉は結衣にとっては不要だからだ。
急に二人が分からなくなる。
結衣のYで、洋平のY。
やきもち、八つ当たり、厄介、やっかみ、しっくりする頭文字。
TV画面に映る天気予報が、明日は晴れだと知らせてくれる。
ホワイトデー
もしかするとメソメソ凹む結衣が二人は面倒臭くなったのかもしれない。
欝陶しくなったのかもしれない。
煩わしくなったのかもしれない。
邪魔くさくなったのかもしれない。
よって、素っ気なく『大丈夫』で済ませたのだろう。
もう嫌われたのかもしれない。
悲観的でマイナス思考でネガティブな結衣にイライラしたのかもしれない。
ウサギのお財布に頼りすぎたのかもしれないと、己の愚かさを実感する。
いちいち甘えるばかりしていた結衣にはおんぶにだっこ、縋り付き、そんな言葉がぴったりだ。
愛美に何をしてあげたのか、里緒菜に何をしてあげたのか、
してもらってばかりじゃないか。
甘えたで努力をせずに、人を羨むばかりの結衣。
等価交換不成立だ。
わがまま
……私、嫌な女
白いホッペに涙が伝った。
反省点があり過ぎて何が悲しいのか本人さえも分からない。
もうやだ
好きなんか言うんじゃなかった
告白を後悔した頃に鳴るのは、今一番聞きたくない呪いのメロディーだった。



