揺らぐ幻影


素直ではない結衣、あまのじゃくな愛美、捻くれた里緒菜のトリオはややこしい。


女子高生と呼ばれるクラスメートたちは感動がポピュラーらしいけれど、

例えば恋愛相談には涙が必須、お誕生日カードには素敵な想いを連ね、将来については意見交換をする、

それらを美しいと感じるのだが、結衣たちはこうだ。

必死とか真剣とか真面目とかを不謹慎に面白がるどうしようもない人間性のせいで、

情操教育に何かしら問題があったのかと保護者が不安になるだろうし、社会から叱られるであろう。


しかし今更変えられない。
仲間とおどけてナンボだし自虐ネタが大好きだし、相手もそれを望むシュールなグループだ。

常に会話には笑いを追加し、シリアスムードをぶち壊す。

わざと三人はそうしてきた。
そんな自分たちは心がさびしい人と言われるタイプだと自覚しているも、

皆みたいに綺麗な心で熱くなるのことは、やはり恥ずかしく照れ臭い。


とはいえ、別のグループに対して何も思わない。

くどくなるが、三人娘はプラスが生産されることしか考えない主義だからだ。


通常、このように違う価値観が始まりで教室ではバトルが繰り広げられる事が少なくもなく、

ディベートのようにイエスとノーの両者が白熱する場合は、

論争後に認め合ったり理解を示したりして、今後に良い働きをするのだが、

女子内で耳にする言いあげるというバトルは、ひたすら相手が悪い自己主張パニックなので、

皆が見落とす仲間ハズレやいじめに繋がりがちだ。


そんな本気ムード、お察しの通り結衣たち目線だと、ピュア臭すぎて避けるのである。

ただ彼女たち、他の仲良しグループと自分たちのグループの感性が異なることさえも口外しやしない。

言った方が良いことも音にせず空気で伝えるも、それさえ秘密にする。


ばりばりミーハーにファストファッション大好きだし、セレブのオシャレ感に憧れる海外カブレの癖に、

日本人の奥ゆかしさを引き継いでいる少女がここに三人も居る。


女子高生と一括りにしても、実際は生徒の数だけジョシコーセーは居る。

当たり前のことを、結衣は鏡の中に居る結衣を見つめることで知った。

メイク道具一式が揃ったポーチは現代版魔法の杖だ。