浮かれるだけではない。
女子高生はシビアな面もある。
だから、何かの罰ゲームで告白メールを送ってきたのかと考えもした。
しかし彼はそういう悪ノリをするタイプではなく、真面目にしか恋を唱えられない人のはずだ。
だからって
困る、って
徐々に冷静になる。
結衣が告白された二回は、同じ中学と言うだけの知らない人だったので、
普通に頭を使わずとも無理だと断ることができた。
それが今回は顔見知りで、隣の席で、どっちかというと仲良しで、
つまりきちんと結衣は返事をしなくてはならない。
ごめんの三文字なんてすぐ打てるのだが、
彼女自身も恋をしているため振られる辛さを思うと、適当に返すのは悪い気がした。
かといって、こんな状況での優しさは、結衣の価値観では腹立たしいことであり、
『彼に悪いから』と決定的な断る言葉も返さずに告白を感謝する人がいるが、
その手の無垢な女は個人的には怖い。
また、そういうタイプは魔性・小悪魔・男好きとも違う『自己愛ちゃん』だと昔からキャラクター設定している。
好意を持たれて悩めるアタシに酔いたい奴なのだと引いてしまう。
要するに、感謝と称して思わせぶりにキープするような内容は絶対に避けたい。
そう、ベストな振り方の手ほどきを受けたくて電話をしたのだ。
――が、真相はどうなのだろうか。
『大塚かー、モテ期到来? だから言ったじゃん、結衣のこと好きって』
「ありえんくない? だってそんな仲じゃないし」
なんか
、謎
どんなに自惚れても、大塚に好かれるポイントなんてないはずだ。
授業中の分からないところを小テスト前に尋ねたくらい、
宿題を写させてもらったくらいで、都合よく利用したくらいで、彼だって気付いていたはずだ。
好きって……そのレベルまで接点ないし
告白する程仲良くないじゃん
全否定する結衣を、『いやいや、チョコあげたんでしょう?』と、
里緒菜は冷静に被せて否定する。
もしかすると友人の言う通りで、バレンタインにチョコをあげたから期待させてしまったのだろうか。
だとしても――



