揺らぐ幻影


昨日の結衣は謎でしかない。


近藤が打った文章が頭を支配する。

 ギャルな子良いじゃん
 明るくてよろしい
 小崎さんとか友達ギャルじゃん


注意深く考察すれば、彼のタイプがギャルだと言えなくもないが、

どっちみち他人の真意を知るなど不可能で、

だとしたら片思い、

マイナスに解釈するより、プラスに誤解したままの方が断然メリットがあるはずだ。


この場合、好きな人の中で彼女は、『ギャルなお友達が居るイケてる女・田上結衣』だと注釈されていると、

ポジティブに捉えてしまえば八割が上手くいく。

鈍感なふり・勘違いを故意に演じれば、心は強くなる。


そのうちコギャルのように死語となるのだろうけれど、思春期はなぜかギャルが一目置かれる存在だ。


その定義は未解明のままで、

小学生の中学年あたりから教室ではキャラクターが誕生する。

主にツーバージョン。
目立つタイプと控えめなタイプ、どちらも良さがあるので天秤にかける必要はない。

前者は要するに授業中ふざけたり、逆に優等生な部分もあって自ら発表をしたり、

学活の時間に仕切り上手だったり、クラスメートを統率する人が逸材扱いされるようになる不思議な例で、

中学生に上がると、小学校でリーダーシップを発揮していた人が、

そのまま進化し、ギャルと呼ばれるようになる。

そこには見た目の派手さプラス、ノリの良さや人脈が判定基準となっているらしい。


途中でデビューして仲間入りする場合もあるが、

とりあえず、クラスの親分で、皆が彼女らを横目でチラチラ見ている。


世間ではあまりよろしくないとされることもあるが、それは卒業して分かることであって、

思春期真っ只中、制服に身を包んでいる女子において、ギャルは憧れの存在だ。


キラキラして華やかで、可愛くてオシャレ、男女の垣根なく慕われてる彼女らを、

疎ましく感じている人も、もしかしたら居るかもしれないけれど、

それでも誰もが一度は体験してみたいのでは、と結衣は思っている。


一般的に女子高生像の代表には、なぜか八割方ギャルが起用される。

その他のファッションの女の子たちだって居るのに何故フューチャーされるのだろうか。