分かっている。
悲しくなるのは変な女だと。
それでも、嫌だ。
――好きになっていた。
だから作戦をした。
馬鹿なことを一生懸命頑張った。
愛美と里緒菜が居るから頑張れた。
なぜなら、結衣が近藤の彼女になりたかったからだ。
ずっとずっと憧れていた。
教室で彼氏の話をする幸せそうなあの子たちに。
クラスメートたちのように、両思いの恋愛をしてみたかった。
近藤洋平を好きになったのは結衣だ。
付き合いたい。
好きになってほしい。
夜中に電話をしたい。
二人乗りをして登下校したい。
隣り町にオープンしたカフェでデートをしたい。
カップルおすすめとフリーペーパーに紹介されていたため。
夢を見ていた。
中学の頃から長い間決めていた。
部活をしなかった本当の理由を、知っていた。
彼氏ができたら彼氏の部活の応援をしたかったから、
だから放課後に時間を空けていた癖に。
好きな人が居て、頑張って、けれども友人に惚れられていたら?
性格が良くないし頭も悪いし見た目もイマイチな結衣と接するうちに、
近藤は愛美か里緒菜の良さに気付いたのかもしれない。
駄目女と仲良くしてあげている友人の優しさに惹かれているのかもしれない。
何をしていたんだろうか。
何がしたいのだろうか。
頑張った全てが裏目に出てしまったのだろうか。
付き合いたいのに。
好きになってほしいのに。
夜中に電話をしたいのに。
二人乗りをして登下校したいのに。
隣り町にオープンしたカフェでデートをしたいのに。
カップルおすすめとフリーペーパーに紹介されていたのに。
叶えられないなんて嫌だ。
片思いをしているのに、どうして幸せ以外に見舞われなければならないのか。
三流の恋なんて、所詮この程度なのだろうか。
それでも切なくなる必要性がないじゃないか。
……。
愛しの彼はちっとも甘くもないし、イジワルでもないせいで、キャピキャピした出来事なんてない。
無駄に愛される主人公が羨ましかった。
ご都合主義の結衣らしく、一秒後には『テヘ、あたしの勘違いでした』のツッマンナイ展開を希望したい。



