揺らぐ幻影


女子高生の定番、その三はプリクラ評論だ。

「三人で撮るん久しぶりくない?」

「かもー冬休みぶり?」

「目の修正ぶっさいく、CGじゃん」

プリクラが三百円だった時代は遥か昔、

あの頃はフレームを選ぶだけで落書きなんてできないし、携帯電話に画像を送信なんてできなかった。

それが今や四百円で写りは別人、日々時代が進化すると結衣はしみじみ思う。


そんな平成を生きる彼女たちは服が好きなので、デートプランはいつも買い物だ。

八割それでマンネリ化だが、新作の服は一週間ぶりに行けば店頭に飾られているので飽きない。


毎回毎回、品定めをするだけで楽しいし、

店内に居る知らない他校生を眺めるだけで、現役高校生をしているなと実感できるため好きだ。


そして今日も相変わらず、無条件で人が集まる駅前に立ち並ぶファッションビルの中から、

お目当てのフロア、お気に入りのショップだけをプラプラ巡り、

結衣はレトロが売りの千鳥柄のワンピースを、愛美は踵が高くて革感がダサくないブーツをそれぞれバーゲン価格で買い、

里緒菜は一目惚れがなかったと財布を出さず、最後の〆にプリクラを撮ったところだ。


アルバイト代はオシャレ関係に投資されるばかりで、ちっとも貯金なんかできないが、

不景気な世の中に貢献しているとして、まあヨシとしよう。


  ワンピ可愛かった

そんな訳で、手持ちのお金がない故に、

ファミリー向けの大型スーパーのフードコートでまったりと足を休めている。


また放課後のコーヒーショップとバーガーショップは高校生で混雑しており、

席に座るのさえ順番待ちだと予め分かっているので、庶民的なここを選んだ。


さて、放課後の定番、その四。

これはもはや一人では不可能であり、友情を確かめるには最適だ。

そう、女子高生による生産性のない無駄話だ。