リボンやハート、シャンデリアをモチーフにしたキラキラなピアスやネックレスが回転棚に飾られている。
ただでさえ輝くそれらは天井からの照明で、手にとってくれとばかりに余計美しく存在を主張している。
店内は壁紙やら棚やら床やら全てがショッキングピンクと黒のコントラストで統一されており、
小悪魔的で可愛い雰囲気は、ターゲット層を絞っているのが明らかだった。
またBGMがJ-POPの流行り歌ではなく、よく分からないガチャガチャしたトランス曲のため、
心臓が急かされ購買意欲を自然と煽られる不思議。
かわいー
五百円前後で価格設定されているので、結衣たちをはじめ女子高生がよく利用する。
そのため、しょっちゅう誰かと被って気まずい時があるのがガールズトークあるあるだ。
キラキラ眩しいアクセサリーは低価格なフェイクの光り。
プラネタリウムもイルミネーションも偽物なのに、幸せを感じるのはなぜだろう。
「……なんか、私、可愛くなりたい」
急に真面目な話を振る結衣に、愛美は持っていた花のお財布を棚に戻した。
スカートの裾を握り、「向こうにさ、告白されるような魅力的な子?、に、なりたい、なー。とか」と、続けた。
本来はコーヒーショップやファミレスでもいいから、とにかくゆっくり席に着いて話す内容かもしれない。
けれど輝くアクセサリーを見ると、このすべてが似合う子になりたいと思った。
だから意味不明なことを話していた。
値段なんて関係ない。
頭に浮かぶのは、ハイセンスでキラキラ光っている服飾コースの女子生徒だ。
結衣が頑張ったオシャレは彼女たちの真似をしているだけで、明らかに劣る。
そう、高校生はファッションに長けた子が教室の主役なのだ。
大人たちは頭の良さを求めるのだけれど、生徒目線だとそこはあまり重要視していなかったりする。
もちろん極端に勉学を疎かにすると、最後に困るのは自分なのだけれど、
とりあえず洗練されたオーラが武器なのだった。
マドカ高校の女子生徒にとって、服コの女の子はキラキラピカピカ世界が違うお姫様たちで、
そこで暮らす男の子が、凡人結衣の大好きな人という逆境が辛い。



