あいつのキスの練習台



「来てくれた」


 にっこり笑うと幼くなるその顔、大好き。


「勉強、でしょ?」


 申し訳無さそうに首を振る達也には少し可哀想な事をしたかも。

 
 分かってて意地悪するなんて、よくないよね。


「いいよ分かってる。こないだの続き話そうとしたんでしょ?」


「ん……ごめん。自分勝手なのは分かってるんだ。でもさ彼女には恥ずかしいとこ見せたくないっていうかさ」


「男の子って見栄っ張り?」


「……うん」