つい最近、あたしは失恋した。 ――とは言っても別にフラれたワケじゃないんだ。 そもそも告白する勇気なんてないし……告白してダメだったら……今の仲の良い関係が崩れちゃうでしょ? 「だからあんな奴やめとけばって言ったのに」 「やめとけって言われて止められるようなら恋じゃないでしょ」 言い返され、へこんでいる目の前の親友が少し可哀想に思えた。 「ごめんごめん。とにかくこの事は内密に……」 あたしは唇に人差し指を当てて見せた。