甘く・深く・愛して・溺れて

『疲れたか?もうすぐだから…』



俺の言葉が聞こえてるのか、聞こえてないのか、



景色に見とれたまま、反応しない綾瀬月美。



『……すごい…超綺麗…』



ひとり言なのか、俺に言ってんのか、



そうつぶやく綾瀬月美の髪が潮風に揺れる。



『あぁ、こっから見下ろすのは最高だな』



俺はそう言って、



『兄貴がいるの、あそこに見える海の家だから』



と、何軒か続く海の家の中で、平屋造りの海の家を指差した。