甘く・深く・愛して・溺れて

『…兄貴、あんたにマジで惚れてっからさ…。もう少し、ほっといてやってくんないかな』



俺はなるべく穏やかな口調で、目の前の女に言ってみた。



『……うん……』



女は小さく返事をして、少しだけ微笑んだかに見えた。



『兄貴のことだから、あと何日かしたら、ケロっとした顔して、あんたの前に出てくるかもしれねぇし』



俺の続けた言葉に安心したのか、今度ははっきりと笑顔を見せた女。



『分かった……待ってる。待ってるって隆司に伝えて…』




俺は頷き、家の中へと入った。