甘く・深く・愛して・溺れて

『あ~~♪幸せだぁ~!』



兄貴のそんな大きなひとり言をずっと耳にしていたのに、



いつから?全くそれが聞こえなくなっちまったのは?



ある日、固い疲れた顔をして、



帰ってくるなり、自分の部屋に黙ったまま入っていった兄貴。



どうしたんだ?



絶対何かあったってのは、俺にだって伝わる。



『っ……っんでだょ…っ』



兄貴の部屋からもれてくる微かな声に、俺は耳をすました。



聞こえたのは泣いてる声………。



俺が知る中で、兄貴が泣くのは初めてだった。