甘く・深く・愛して・溺れて

兄貴の視線の先の俺の携帯。



フローリングの床に無造作に置かれたその携帯には、



どう見ても俺には不釣り合いなストラップがついている。



『あ…これ?取るの面倒だから、そのままつけてるだけだし…。意味はねぇから…』



俺は携帯を手に取り、ストラップを見つめた。



ミッキーが微笑むように、半分になっているハートの形を持っている。



いわゆる「ペアのストラップ」



「あたしのはミニーちゃんなの♪隆治のミッキーと合わせるとハートの形になるんだよ~♪」



これを見ると、嬉しそうにはしゃいでいた結菜を思い出す。