甘く・深く・愛して・溺れて

『隆司…学校辞めるの?……辞めないで続けようよ?』



『…まぁ…俺も色々考えたよ。中途半端な時期に辞めんのは、どうかとも思ったけどさ、俺ん家、結構訳ありでさ…大変なんだ…』



波打際でビーチボールで遊ぶ子供達の姿を眺めながら、隆司は苦笑いを浮かべた。



『隆治君から少しだけ聞いたけど…』



『隆治から?へぇ…。あいつ、随分と月美に懐いてんだな…。あいつがそこまで口開くの珍しいぜ…。今日だって驚いたよ。あの隆治が月美を連れて来たんだから…』



どうやら、隆治君はあたしにだけでなく、人と接するのが得意じゃないらしい。



『月美はやっぱすげぇよ…。隆治の態度見れば分かる…』



隆司の足元に転がってきたビーチボール。



隆司は笑顔でキャッチすると、



遠慮がちな表情で駆け寄ってきた男の子に優しく投げてあげた。