甘く・深く・愛して・溺れて

自分でもどうしてだか分からない。



とにかく、空人を引き止めたかった。



このままにしたくなかったから。



そんなあたしの必死な様子に、



無表情だった空人がクスっと微笑んだ。



『ほらっ、さっきの擦りむいた所から、血が出てるじゃん。後でちゃんと、消毒しなよ』



『あ、はい……』



『……じゃあ、このケガも足の具合も気になるし、連絡してよ…』



そう言って、携帯を取り出した空人。



『じゃあ、連絡しますっ!ありがとうございましたっ!!』



『ああ、じゃあね』



こうして、メアドを教えてもらったあたし。



空人の車を、見えなくなるまで見送って、



足の痛みで我に返るまで、



しばらくその場に立ち尽くすようにして、



空人のことで頭がいっぱいになっていた。