甘く・深く・愛して・溺れて

これでさよならしたら、もう会えない…きっと会えるはずもない……。



気がついたら、車に乗り込もうとした空人に向かって、



『あのっ…!!待って…待って!!待ってくださいっ!』



必死に大きな声で呼び止めようとするあたしがいた。



そんな自分に驚きながらも、あたしに迷いはなかった。



こっちへ視線を戻す空人に、叫ぶようにあたしは言った。



『名前と…連絡先…メアドでもいいですっ…なんでもいいから、あなたのこと教えてくださいっ!!』



足の痛みも忘れるほどに、無我夢中で……。



きっともうこの時から、あたしの気持ちは始まっていたんだよね。



あたしはこの人を好きになる。



違う…この時点ですでに好きになっていたんだと思う。