甘く・深く・愛して・溺れて

『……あいつ絶対月美のこと好きだろ?』



あたしの手に、自分の左手を重ね、



少しだけ見せてくれる子供っぽい表情の空人。



車の中のこの空間、この時間だけは、



空人はあたしだけを想ってくれるの??



『いい歳した、おっさんがやきもちとか、俺…キモいなっ…』



『キモくない!!嬉しいよ!!』



『月美は高校生だもんな。男友達くらいいて当たり前だよな…』



空人はそう言って、車を加速させ、



すぐにまた、いつもの冷静で落ち着いた空人に戻ってしまうんだ。