甘く・深く・愛して・溺れて

空人の体温がどんどんあたしへと伝わっていく。



空人の荒くなる呼吸と、時々もらすかすれた声。



あたしは空人にしがみつき、空人から与えられる感覚に身を任せた。



『…月美を初めて見た時、すげぇ可愛いなぁってドキっとしたんだ…』



『…あたしが自転車でぶつかって、空人が声かけてくれた時?』



『あぁ。でも月美は制服だし、明らかにそんな月美から見たら、俺なんかオッサンだろっ…』



乱れたあたしの髪を整えるように、指を通しながら、



空人はあたしの顔を覗き込み、笑った。



『こんなオッサン見向きもされねぇと思ったし…』



あの時、爽やかにあたしに駆け寄り、



ケガを心配して送ってくれた空人が、



そんな風に思っていたなんて、



なんだかとても信じられないけど、



本当だったら、少し嬉しいかも……。