甘く・深く・愛して・溺れて

今日まで聞くのが怖かったこと。



ずっとずっとその存在に気になりながら、



今日まで空人のそばにいたあたし。



……空人の彼女はどんな人……?



『親父が仕事絡みで決めた相手でさ、俺が25歳の頃だったかな…初めて会ったんだよ…』



2人が初めて会った時、彼女はまだ20歳だったという。



『最初はどうでもよかったんだ…親の仕事を嫌でも引き継がなきゃいけないのは分かっていたし、恋愛なんて面倒なだけだったからね。とりあえず親父の望み通り、会ってみたんだ』



女の人と真剣に付き合うなんて、ありえないほど、



その当時の空人の周りには何人もの女が、彼女面して取り巻いていた。



空人のように、こんなにも格好良くて、綺麗な容姿をしていれば、



きっと、ただいるだけで、女の方から寄ってくるんだろうね。



女に不自由していなかった空人は、自由を楽しむように遊んでいた。