「それは不可能ですよ、柳瀬様」


黒川がニヤニヤ笑いながら呟く。


「は?何を言っているのかな」


隆一が気に食わない表情で黒川の方へ振りかえる。黒川は一切動じずに続ける。


「このゲームは強制参加です。辞退はできません」


強制参加という言葉を聞き、他の七人も不安の顔を隠せない。


「ふざけるな!!こっちは仕事で忙しいんだ!!来たくもない旅行に無理矢理連れてこられて、さらにはゲーム強制参加!?冗談も休み休み言え!!こっちは忙しいんだ!!」


激しく怒りながら、そう言い放つと、黒川は扉を開けようと、扉に手をかけた。


しかし、扉が開くことはなかった。


「ど、どういうことだっ!!扉が、開かない!!」


隆一が扉を押したり引いたりするも扉は動く様子を見せない。黒川は冷ややかな笑みを浮かべながら扉に向かって四苦八苦する隆一を見ていた。


やがて扉を開けることを諦めたのか隆一は振り返り、そのまま一直線で黒川のもとに歩いていった。そして黒川の襟首を掴み、顔を近づけ、


「おい!!執事!!あの扉を開けろ!!開けないと監禁罪で訴えるぞ!!」


と、怒鳴った。