外に出ると痛く感じるほどの光に
迎えられた。

胸の高鳴りと自転車の振動が重なり、
フワフワとした体で目的地へと
向かった。

この門をくぐるのは三回目か。

門をくぐり俺の身長の倍はある
板を見上げる。

『132』番。

左手に握る同じ数字の書かれた紙を
確認し、顔が緩むのを堪えながら
自転車小屋に向かう。

あいつ、もう来たかな、、。

使い慣れない携帯を取り出しコール音を
鳴らす。

「はい。」
二日酔いのおっさんのような声が
聞こえてきた。

「ハァー」
溜息がこのおっさんにも聞こえるように
携帯を近付ける。

「お前、合格かどうか見にこないの?」

「あぁ、今日だったんだ。
リョウどうだった?」
遠藤亮、俺のことだ。人見知りで、
人付き合いも苦手だから
フルネームで知っている人は
あまりいないだろう。

「俺は合格していたよ。
今、見にきてるから」

「おぉ、おめでとう。じゃあ154番も
確認してくれよ。俺は寝る。」
残念ながら溜息も、苛立ちも
こいつには伝わらなかったようだ。

携帯電話をしまい、また少しの
緊張を感じた。
なぜ、あいつの為に俺が
緊張しなきゃいけないんだ・・
と思ったが、これからの3年間
人見知りの俺にとって
隣にいてほしい存在である。

・・151
・・152
・・153


・・154。

あった。

とりあえず隣は埋まったようだ。