それから・・・

私達は、いつも離れずに
一番近くで時を過ごした。

浬は、私の仕事だけは
今までとおりに続けてほしい

そう、言ってくれるけれど
今の私には、浬のリハビリの方
が大切で、とても仕事どころ
では無い。

私は、社長に無理を言って
仕事をセーブしてもらい
今は、浬を支える事にのみ
専念している。

人気絶頂で仕事を調整する私に
浮上したのは、結婚説。

そんな、ある夜・・・

リハビリを再開するにあたり
身動きの取りやすい、一階の
居間、和室に移動した、浬。

ベッドの背もたれに、もたれ
座って晩御飯を食べている
浬の傍で、私も一緒に御飯を
食べていた。

夕食の時だけ、襖は開けられ
浬の家族はダイニングで
御飯を食べている。

静かな夕食の時間に
私の携帯電話の着信音が
鳴り響く・・・

「カイリ、ちょっとゴメン
 ・・・
 もしもし、ママ?」