二藍蝶

お前に会えば、俺は・・・

「リン、聞いてんのか?
 誰も入れんなよ」

「聞いてるよ
 ・・・・・・
 それじゃあ、また」

俺は、耳を澄ます。

藍の声を探す。

何も聞こえない・・・

帰ったのか?

玄関のドアが閉まる音以外

何も聞こえない・・・

もう、居ないのか?

何の音もしない、静かな時。

もう、藍はいない。

帰ってしまった・・・

この胸は遣る瀬無く

悲しい・・・

俺は右手を天に差し伸べた。

細い腕・・・

折れそうな手首・・・

こんな姿、お前に曝すこと

俺はできない。