二藍蝶

誰か・・・

俺を殺して

真夜中に、病室でそんな事を
思う俺が、極道社会で組長を
任され下の者達に、命を
賭けられていた存在だなんて

組の連中が知れば、ガックリ
するだろうな・・・

刺青を背負って痛みに嘆く俺を
医者や看護師は笑って看てる
んだろうな。

俺のプライドは、ズタズタで
家族に向かって精一杯
カッコつけて言ってみせる事
ぐらいが、やっと・・・

「カイリ、大丈夫?」

「こんなもん
 どうってことねえ」

親父は、言う。

「自分で巻いた種だ
 痛みぐらい我慢しろ・・・
 
 目が覚めて命があるだけ
 お前は儲け物だ」

「ああ」

そして、家へ戻った俺は
半身が思うように動かない
くせに、自分の部屋へ
戻る事を希望した。