二藍蝶

「言ったでしょう?

 愛してる男に帰れって
 言われて帰る女はいない
 
 貴方ほどの男
 どこを探してもいない

 愛してるの、カイリ
 
 ねえ
 傍にいてもいいでしょう?」

「今の俺は、お前一人
 守ってやれない
 
 自分の事さえ、このざま
 
 持て余してる・・・
 
 俺なんか止めろ」

寂しい、貴方の声。

私は、抱きついたまま
頭を左右に振る。

「カイリしか、いらない」 

浬の右腕が私を包む・・・

「居てよ・・・

 厭きるほど
 俺の傍に居て」

部屋の外で、菫と厘は
涙を流す・・・

『こんなもん
 どうってことねえ』

そう言い放った、我が子が
心から甘えられる場所・・・