『カイリ、待って
 
 そんなに早く
 
 時を駆け抜けて
 
 行かないで・・・』

浬の右手

指先が・・・

動く・・・

藍は、浬に起きた出来事を
何も知らないまま、浬と
別れた後、そのまま自宅に
戻り、涙でベタベタの顔を
冷たい水で洗う。

藍・・・

泣いても

もう、仕方ないよ。

もう、どうにもならない・・・

『藍、終わりにしよう』

『もう、限界・・・
 
 お前みたいな弱虫
 俺にはいらない』

鏡に映る、私・・・

ひどい顔。

「よわむし・・・」