二藍蝶

『貴方しか要らない
 
 他に、何もいらない』

生きていけるだろうか?

「親父・・・
  
 大切な人を亡くして
 大丈夫な人間など
 いるでしょうか?
 
 最後になるかも
 しれない・・・

 少しでも、そう思うの
 でしたら、アイさんに
 一目だけでもいい
 会ってあげてください

 最後のひと時が
 あると無いとでは
 その後の彼女の人生も
 代わってきます

 悔いを残さない
 
 それは、死んでいく人間
 だけの言葉じゃない・・

 彼女は強い人なんか
 じゃない
 
 泣いていましたよ
 声を殺して・・・」

舎弟の言葉が俺の胸を刺す。
 
お前は、俺に隠れて
泣いていたのか?

「頼む、今すぐ
 家に向かってくれ」